日常茶飯事<next>28−2
慰安旅行から帰ってきてから総ちゃんの機嫌が悪い・・・。
侑也と同室だったのが余計機嫌を損ねてる。
同室たって智也も一緒だったんだし、侑也とは何もなかったんだし・・・。



「瀬奈、ちょっと。」
うわ、来たっ!!
声が怒ってるよ〜〜〜・・・。
由奈がいないから、遅かれ早かれ来るだろうとは思ってたけど・・・。
「な、何?総ちゃん・・・。」
でも僕は怒られるようなことは何もしてないはず・・・。
侑也が一緒の旅行がそんなに許せないとか?
「ご両親のお墓参りはちゃんとしてきたの?」
あれは旅行に行く口実だったから、してるわけないじゃん。
「してきたよ。」
「じゃあ間違ってよそのお墓にお参りしたのかな?」
「へ?」
何を言ってるんだ?
「お寺さんに電話したんだ。
 若月さんのお墓に誰かお参りしましたか?って。」
「わ、わざわざ?」
お寺さんだって忙しいのに?
「瀬奈はわかりやすいね。
 動揺してるのが丸わかりだよ・・・。
どうせ口先だけだろうと思ってたけど、何のためらいもなく嘘をつくとはね。」
カマかけられたんだ!!
「ご、ごめんなさいっ!!」
「それは自分のご両親に言いなさい。
 お墓参りをダシに使うなんて罰当たりなことして!!」
「だって・・・。」
「何が“だって”だ!!」
だってそうでもしないと、総ちゃんが行かせてくれなかったじゃない。

「いやーーーっ!!やめて〜〜〜!!」
今日のは“プレイ”じゃなく“お仕置き”だって、嫌でもわかる・・・。
「ごめんなさいっ!!反省してるっ!!もう嘘つかないから・・・。」
「そもそもそれが嘘だ!!」
「痛いっ!!」
膝に乗せるのも早ければ、お尻を剥き出しにするのも叩くのも早い・・・。

「総ちゃ〜ん・・・やめ・・・うわぁぁ〜!?」
このお尻が持ち上がるポーズは嫌なんだってば!!
「やめて・・・痛い・・・痛いぃ!!」

「瀬奈はいくらお仕置きしてもまったく反省しないんだから・・・。」
だったらお仕置きはなしに・・・。
「してるよ。反省してるってば。」
「お尻を叩かれてる間だけね!」
そんなことはないはず・・・。
「や・・・もうやだ・・・やめてよぉ・・・。」



「痛っ・・・あっ・・・や・・・。」
もう、かなりの時間叩かれてるんだけど・・・。
「うっく・・・総ちゃん・・・痛い・・・もうやだぁ・・・。」
お尻が腫れてるのが、自分でもわかる。
「ねぇ・・・総ちゃん・・・やめて・・・。」
どうして何も言ってくれないの?

「やめてくれないと・・・総ちゃんのこと嫌いになるからぁ!!」
でも本当に嫌いになんてなれるはずがない。
「じゃあえっちなこともしてやらないよ?
 瀬奈に我慢できる?」
「い、いいもん・・・。
 侑也と・・・ぎゃあぁぁ〜〜〜!!」
「アイツとなんてヤったら許さないよ!?」
本当に侑也と浮気なんてするはずないじゃない・・・。
お仕置き中に侑也の名前を出すんじゃなかった・・・。
「わぁ〜〜〜ん・・・ごめんなさぁ〜い!!」
さっきよりずっと痛いじゃない。
「総ちゃ〜〜〜ん・・・やだぁ・・・ごめんなさい〜〜〜。」
今日もお仕置きだけで終わるのかな・・・。



「ふぇ・・・ぐすん・・・。」
やっとお仕置きが終わったけど、お尻が痛くて痛くて・・・。
「早く泣き止まないと由奈が帰ってくるよ。
 それにその前に・・・。」
総ちゃんが何か言いかけた時、インターホンが鳴った。

総ちゃん、なかなか戻ってこないな・・・。しつこいセールスか何かかな・・・。

“その前に・・・”何だったんだろ?
したかったのかな。
お仕置きだけだと思ってたのに・・・。
僕だってしたいけど・・・でもお尻が痛い・・・。

「瀬奈、お客さん。」
やっと戻ってきた総ちゃんが、不機嫌そうな表情で言った。
「お客さん?」
総ちゃんの後ろから顔を出したのは・・・。
「と、智也くん!?」
前にフェラーリに乗せたから、僕の家を知ってるのはわかるけど、一体何をしに・・・。
「遊びに来ちゃった。
 忙しかった?迷惑だった?」
「い、いや・・・別に・・・かまわないけど・・・。」
「あのね、セナって店長と同級生でしょ?
 だから店長の子供の時の写真もあるよね?見せてもらおうと思って。」
そんなの直接侑也に・・・恥ずかしがり屋の智也には無理か・・・。
「あるよ・・・ちょっと待ってて・・・。」
「ありがとう!!」
うわ、すごい嬉しそうな顔。本当に侑也のことが好きなんだな。

アルバムを取りに行くついでに顔を洗おう・・・。



「もしかしてこの子が店長!?腕白そうでかわいい〜&#9825;」
か、かわいいか!?どう見たって僕の方がかわいいよ!?
「智也くん、侑也がよくわかったね。」
侑也は子供の頃とすごく顔が変わってるのに・・・。
「そりゃ店長がすごく好きだもん&#9825;
 あ、それから外では本名で呼んでくれていいよ?」
「僕、智也くんの本名知らないんだけど・・・。」
本名で呼んでいいなら先に名乗ってよ!!
「龍ヶ崎 大樹(りゅうがさき だいき)って言うんだ。
 よく名前負けしてるって言われるけどね。」
確かに“大きい樹”のわりには小さいよね・・・。
「セナはこの子?
 もしかしてセナって背が低かった?」
「高校くらいから急に伸びたんだよ・・・。」
あの頃は結構気にしてたことを・・・。
「あ、これ杏ちゃんだ!!」
え・・・。
「それって・・・小倉・・・。
 この前言ってたお父さんの子供って・・・。」
智也・・・大樹のお母さんの再婚相手の子供って・・・。
「そうだよ。
 杏奈さん、こと、杏ちゃんだよ。」
なんだ・・・そういう関係だったんだ。
最初は智・・大樹が小倉・・杏奈さんを好きなのかと思ってたけど・・・。
だから小倉のことをいろいろ気にかけていたのか・・・。
「もし杏ちゃんがお父さんの方に付いて来てたら、僕とは姉弟になってたんだよね。」
「そうだね・・・。」
「杏ちゃんには店長とのこと、いろいろ相談に乗ってもらったんだ。」
じゃあ大樹がゲイだってことも、侑也の趣味も知ってるわけ?
小倉ってどのへんまで知ってるんだろう・・・。
気になるけど、怖くて聞けない・・・。

「ねぇ、この写真コピーとってくれない?」
「うん・・・いいよ・・・。
 パソコンのプリンターでコピーすればいいよね?」
「うん、それでいい。
 ありがとう。」



大樹は侑也の写真のコピーを大量に取って帰って行った・・・。

2005年09月12日(月) 11時48分14秒 公開
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