日常茶飯事61
暑〜〜〜い!!
家までの炎天下を、この大荷物を持って帰らないといけないんだよね・・・。
もうすぐ夏休みだから絵の具セットや習字のセット、体操服なんかを持って帰らされるんだ。

あ〜あ、総ちゃん迎えに来てくれないかなぁ。
こんなに暑いなら、もうちょっと前から少しずつ持って帰ればよかった・・・。

こんな日に限って委員会があって、僕の入ってる飼育委員だけやたらと長引いたから、友達はみんな先に帰っちゃった。
侑也なら待っててくれると思ったのにな。

もう!!どうして学校から家までこんなに遠いのさ!!

水筒のお茶も全部飲んじゃったしなぁ。
こんなに暑いんなら、学校で冷水機の水を入れてくればよかった・・・。





あ、公園・・・。
そうだ、ちょっと温(ぬる)いけど水飲み場で水飲んで帰ろうっと。

「瀬奈、今帰り?」
水飲み場に行こうとしたら、噴水の前で呼び止められた。
「え?和喜・・・。」
もう帰って遊んでるんだ。いいなぁ。
「うん、委員会長引いちゃったんだ。
 和喜ひとり?誰かと遊んでるの?」
「ひとりじゃないよ。
 涼一と侑也とでサッカーの練習するんだ。」
「えーーー!?
ずるい!!僕も入れてよ。」
僕がいない間に3人で決めてたんだ・・・。
「いいよ。一緒に練習しよう。」
やった。
「じゃあ家に帰って荷物置いてくるね。」

「あれ?瀬奈、今帰り?」
涼一だ。
「うん、これから家に帰って荷物置いてくる。」
「その辺に置いとけばいいじゃん。
 早く遊ぼーぜ、ほらボール。」
「え?
 ちょっ・・・涼一・・・。」

「うわ!?」
急にサッカーボールを投げられて、よろめいて後ずさりした拍子に噴水に落ちてしまった・・・。
「瀬奈!?
 ごめん、大丈夫か!?」
「ひどいよ〜、涼一・・・。」
でも・・・冷たくて気持ちいいかも。

「お返し!!」
「おわっ!?冷て・・・。」
「僕は関係ないよ!?」
いくつかある噴水の水の出口を少し塞いで、涼一の方に向けた。
噴水の水は勢いよく出ているから思った以上に飛んで、関係のない和喜にまでかかってしまった。
「ふふ・・・。」
意外と楽しい。
「冷たくて気持ちいいでしょ?」
もう1回、涼一の方に向けて水を飛ばした。
「わっぷ・・・。」

「お返しのお返し!!」
「ひゃっ・・・。」
全身水浸しになった涼一が噴水の中に入ってきて、僕に向けて水を飛ばしてきた。
「やったな!!」

「ちょっと・・・瀬奈、涼一・・・止めといた方がいいよ・・・。」
和喜が止めるのも聞かず、こうして僕と涼一の水かけっこが始まった。



「あの二人、何やってるんだ?」
侑也の声だ。
「侑也も一緒にやる?」
「瀬奈、ランドセルの中すごい事になってるんじゃないか?
 宿題どうするんだ?」
侑也の冷めた言葉に、ふと我に返った・・・。

「あーーーーーっ!!
 ランドセルの中、ぐちょぐちょ・・・。」
やけに背中が重いと思ったら・・・。
それに持って帰ってた習字のセットも、筆についた墨が流れ落ちて真っ黒になって、おまけにその真っ黒い水が体操服の袋にまで染み込んでる!!
「早く帰って洗った方がいいんじゃないか?」
「う、うん・・・、そうする・・・。」



一気にテンションが下がった僕は公園を後にした。



うわ、靴も水が入ってるから、ぐちょぐちょして気持ち悪い・・・。
帰ったら総ちゃんに見つからないようにお風呂に入って・・・。
それから、今着てる服と体操服は洗濯機に入れてさっさと回して証拠を消さなきゃ。
あ、どうしよう・・・体操服に付いた墨って取れないんじゃなかったっけ?


 
「せ、瀬奈・・・?
 その格好・・・どうしたの・・・?」
家に入ろうとした時、コンビニから帰ってきた総ちゃんに呼び止められた。
「え、えっとぉ〜・・・川に・・・落ちた・・・。」
「そこまでびしょ濡れになるような川は通学路にはないけど?」
ヤバイ・・・総ちゃん怒ってる・・・。
「・・・公園で・・・噴水に落ちた・・・てゆーか、落とされた・・・。」
「公園?
 どうして学校の帰りに公園に寄り道してるの?」
「それは・・・。」
「詳しいことは後で聞かせてもらうよ。
 とりあえずお風呂に入りなさい・・・。」







「うわぁぁ〜〜〜〜〜んっ!!
 涼一が悪いんだよっ!!やだぁ、やめて・・・やだぁっ!!」
話は聞いてくれたけど、それでも僕が悪いからお仕置きだって膝に乗せられた。
「またそうやって他人(ひと)のせいにする!!」
「だってぇ・・・嫌ぁ!!」
涼一が勢いよくボールを投げるから悪いんだ!!
「落ちた後も水遊びをしていたのは瀬奈でしょ!?
 すぐに帰っていれば、あんなにびしょ濡れにならなかったんじゃないの?」
「ふぇぇ〜〜〜ん・・・。」

「やだぁ、痛いよぉ〜・・・。」
「どうして素直に“ごめんなさい”が言えないの!!」
謝ったって許してくれないもん〜・・・。
「痛ぁ〜〜〜いっ!!」
謝らないからきっと力いっぱい叩いてるんだ・・・。
「やめて・・・やだっ・・・痛いっ!!」
「“ごめんなさい”が言えたらね!!」
「痛っ!!」
さっきより痛くなってる〜。
「うぇ〜〜〜ん・・・ご・・ごめ・・なさ・・ぃ・・・。」
「最初から嘘をつかないで“ごめんなさい”を言っていればお仕置きなんてしなかったのに・・・。」
あきれたように言って、すぐに膝から下ろしてくれた。



「ふぇ・・っく・・・。」
「ほら、いつまでも泣いてないで、教科書やノートを乾かさなきゃ宿題ができないよ?」
僕がお風呂に入っている間に、庭の日当たりのいいところに広げてくれてたから、半分くらいは乾いてる。
「・・・うん・・・。」





その後総ちゃんは僕と一緒に、ドライヤーで教科書とノートを乾かしてくれた。

2005年09月25日(日) 19時50分32秒 公開
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■作者からのメッセージ
季節はずれなネタで・・・。
それに無理やりスパに持ち込んでしまいました・・・。ちょっとかわいそうだった気も・・・。


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