日常茶飯事<next>番外編−BE WITH YOU−
今日の晩ご飯、何にしようかなぁ・・・。
トンカツは昨日作ったし、から揚げも最近作ったばっかりだし、てんぷらも・・・。
なんだか油っぽい料理ばかりが浮かんできちゃう!!

は〜〜〜・・・私って主婦に向いてないのかも〜・・・。
結婚して5年目、未だに炊事も洗濯も掃除も苦手だわ。

とりあえずスーパーに行って食材を見てから決めようっと。
「由奈、お出かけするわよ。」
「どこ行くの?公園も行く?」
「そうね、いいお天気だから行こっか。」
スーパーへ行く道沿いにあるのよね。





今日は平日のお昼過ぎだから、まだ公園も静かだわ。
もっともこの公園は、10数年前に新興住宅地が造成された時にできた公園で、当時の子供ももう大人になってるから、このあたりも年々子供が減って、休日でもあまり子供が遊んでないのよね。
由奈の友達も近くにいないし、今年から幼稚園に入れたほうがよかったのかも・・・。
「ママ〜、ブランコしたい。一緒に乗って。」
「え?一緒に乗るの?」
「うん、お膝で抱っこして。
 パパはいつもしてくれるよ?」
「あら、そうなの?」
知らなかったわ・・・総司郎さんと一緒に公園に来ることって少ないし、そういう話もしないから・・・。

「きゃ〜、おもしろ〜い!!
 ママ、もっと高くこいで!!」
「怖くない?」
「うん、全然。」
ブランコなんて何年ぶりかしら・・・。
でも、私も久しぶりに楽しい!!
「ぎゃあ!?」
靴が・・・。
「ママのクツ、飛んでっちゃったね。」
「そ、そうね・・・。」

「次はあの滑り台。
 くるんってまわってておもしろいの。」
螺旋状になってるから、確かに普通のまっすぐな滑り台よりおもしろそうね。
「ひとりで上がれる?」
螺旋状の滑り台を滑るには、このジャングルジムに登らないとダメなのよね。
幼児にはちょっと危ない気がするんだけど・・・。
「うん、こっちから上がるの。」
なるほど、滑り台を上がっていくのね。
いつも仕事の息抜きがてら、総司郎さんが由奈を公園に連れて行くから、私の方が由奈の成長をわかってないかも・・・。

「次はシーソー。」
「まだ遊ぶの!?」
もうそろそろ買い物に行きたいのに・・・。
「ママ、そっち乗って。」
乗るの〜!?手で上下させるだけじゃダメなのかしら・・・。
「パパも乗ってるの?」
「うん!!」
忙しいのによく面倒見てくれるとは思ってたけど、もしかしてすごく子煩悩なのかしら・・・。
私、由奈のことも・・・総司郎さんのことも・・・わかってるつもりで、きっと何もわかってない・・・。



「由奈、そろそろお買い物に行こう?
 帰っておやつも食べなきゃね。」
「やだっ!!もっと遊ぶ〜〜〜っ!!」
「いっぱい遊んだじゃない。
 そんなこと言ってると放って帰るわよ!?」
帰るふりしたらついて来るはず・・・。
「やだ〜〜〜っ!!遊びたい〜〜〜。」
「ちょっと・・・由奈っ!!」
歩きかけて振り返ったら、公園の奥の、別の遊具の方に走って行くのが見えた。
「待って・・・。
 勝手に行っちゃダメ!!」
もう!!買い物に行けないじゃないっ!!





結局公園で2時間も遊んで、買い物に行けなかったわ・・・。
それでもまだ遊ぶって聞かないから、引きずるようにして連れて帰ったけど・・・。
「由奈、ママね、お洗濯物入れてくるからプリン食べて待っててね?」
「・・・・・。」
ん〜・・・大好物のプリンを目の前にしても機嫌が直らないなぁ。



「きゃあぁぁ!?
 な、何てことしてるの!!」
キッチンの床がプリンまみれになってるーーーっ!!
「由奈っ!!」
「うわぁぁ〜〜〜んっ!!」
プリンを床に擦り付けてる由奈を膝に乗せると、お尻を丸出しにして叩き始めた。
きっと無理に連れて帰ったから、機嫌を損ねて床に八つ当たりしてるんだ・・・。
だから、いきなりぶつより言い聞かせるようにした方がいいに違いない・・・。
「いやぁ、ママ〜・・・あぁ〜〜〜ん。」
「食べ物はおもちゃじゃないのよ!?」
「やぁ・・・うぁ〜〜〜ん。」
私だって泣きたいわよ・・・。

5回叩いて由奈を膝から下ろした。
「ごめんなさい、は?」
「やっ!!知らないっ!!」
「いい子にしてないとお誕生日来ないわよ!?」
もうすぐ来る4歳の誕生日を指折り数えて待ってるのよね。
「い、いいもんっ!!来なくていいもん・・・うわぁぁ〜〜〜ん。」
はぁ、朝から磨いたばかりなのに、また床掃除の仕事が増えちゃったわ・・・。
「う、うぇぇ〜〜〜ん・・・パパァ。」
「由奈、何をしてママに叱られたの?」
「床にプリンを・・・。」
「俺は由奈に聞いてるんだよ。
 由奈、何を悪いことしたの?」
総司郎さんは由奈の下着を上げながら、私の言葉を遮るように再度由奈に尋ねた。
「プリン・・・ふぇっく・・・床に・・・こぼした・・・。
 食べたくなか・・たから・・・うっく・・・。」
「それは由奈が悪かったんだから、由奈がお片づけしないとね。
 ママは他の用事があるから、パパと一緒にしようか?」
「・・・ぅん・・・。」
総司郎さんは由奈に雑巾を持たせて、洗ってくるように言いつけた。

総司郎さんも由奈のお尻をぶつけど、でもフォローも上手いのよね・・・。
「どうしたの?
 洗濯物、片付けてる途中でしょ?」
「う、うん・・・そうだけど・・・。」
「ここは由奈と片付けておくから。」
「ありがとう・・・。」
向こうへ行けってことかしら・・・。



「うっ。」
やっぱりまだ慣れないわ・・・総司郎さんの下着・・・。
私のよりずっと派手なんだもん・・・。
「ママ・・・。」
リビングのドアから覗くように、由奈が顔を出した。
「うん?」
「あのね・・・さっきはごめんなさい・・・。」
総司郎さんになだめられて落ち着いたのね。
「・・・きれいにお片づけできた?」
笑顔で答えなきゃね。
引きつってないかな・・・。
「うんっ!!」
よかった、由奈も笑顔で返してくれた。
「里加子、俺の分の夕食いらないから。」
「え?」
「まだ用意してないでしょ?」
「うん、まだ何も・・・。
 出かけるの?」
「うん、ちょっと飲みにね。
 里加子も由奈と外で食べればいいよ。」
言葉を濁されて、それ以上は聞きにくい雰囲気になっちゃった。





て、ことは、今日は由奈と二人だけかぁ。
“外で食べれば・・・”て言われても、わざわざ出かけるの面倒・・・。
「由奈、晩ご飯何にしよう・・・。何食べたい?」
「ハンバーグがいい!!
 ハンバーグにして、目玉焼きがのってるの!!」
ハンバーグ・・・作るのはもっと面倒・・・。
デリバリーにしようかな・・・。
「あ、ママ誰か来たよ?」
「え?チャイム鳴った?」
「鳴ったよ。」

「ハ〜イ、里加子ちゃん!!お出かけするわよ〜。」
「はい!?」
ドアを開けたら総司郎さんのお兄さん・・・もとい、おねえさんのゆうかさんが立っていた。
「総司郎は出かけたんでしょ?
 里加子ちゃんと由奈の二人だけじゃ心配だからって、私に留守を預けて行ったのよね。
 さぁ、私達もお食事に行きましょう!!」
「ええっ!?」





「由奈は何にする?」
「これ!!このハンバーグ!!目玉焼きののってるの!!」
ゆうかさんに聞かれ、ファミレスのメニューを指差しながら答えてる。
「あとね、このケーキ食べたい!!」
「あら、それはお誕生日の人にお店がサービスしてくれるケーキだから無理よ。」
「お誕生日の人しか食べられないの?」
ふーん・・・ここのファミレス、そんなサービスしてるのね。
「・・・あっ!!」
「どうしたの!?里加子ちゃん。」
「今日って瀬奈くんの誕生日だったんだ・・・。
 私すっかり忘れてた・・・由奈の誕生日のことしか頭になかった・・・。」
総司郎さんが言葉を濁したのも、私に気を遣わせないためだったんだ。
飲みにってのも、きっと瀬奈くんが20歳(ハタチ)になったから・・・。
「気にすることないわ。」
「でも・・・瀬奈くんだって総司郎さんの子供だし家族だわ。」
「確かに里加子ちゃんは総司郎のお嫁さんだけど、瀬奈のお母さんにまでならなくていいのよ?」
「それに総司郎さんは何でも上手くこなしてるのに・・・。」
私はいつもどこか抜けちゃう・・・。
「それは里加子ちゃんの思い過ごしよ。
 アイツはポーカーフェイスだから、自分の弱みなんて絶対見せないし・・・。」
弱みなんてきっとないわ。
「育児だって・・・。」
一生懸命やってるつもりなのに、総司郎さんの方が由奈のことわかってる・・・。
「総司郎は瀬奈で予行練習済みだもの・・・。
里加子ちゃんは由奈と一緒に成長していけばいいのよ。
最初から完璧な“お母さん”なんていないし、それに育児なんてマニュアル通りになんて行かないのよ?
だから焦っちゃダメよ?」
「・・・・・。」
口を開いたら泣きそうで、頷くことしかできなかった・・・。
「家事だって少しくらい手抜きをしたらいいの。
何でも完璧にやる必要なんてないのよ?」
それでも、やっぱり上手くこなせない自分がもどかしい・・・。
「それとね、絶対ひとりで悩んじゃダメよ?
たまには息抜きがてらうちに遊びにいらっしゃい。
 一緒に愚痴りましょう?ね?」
「・・・はい・・・。」
そんなに深く悩んでないのに・・・。
ゆうかさんにまで・・・どうしてわかっちゃうんだろう・・・。
「ああ、ほら、里加子ちゃんを悩ますんだから、総司郎だって完璧じゃないのよ。
 自分の奥さんをリラックスさせることもできないなんてダメねぇ。」
「クスッ・・・。」
とってつけたようなフォローだったけど、ゆうかさんの気遣いがすごく嬉しかった。

2005年10月04日(火) 18時40分28秒 公開
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■作者からのメッセージ
<next>の番外編になるのかな・・・。形を変えてまだ続きそうです。
なんだか主婦の愚痴っぽい内容になってしまった・・・。


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