日常茶飯事63
う〜〜〜っ!!寒〜〜〜いっ!!
早く帰って温かいお風呂に入りた〜い。
でもきっとまだ、お風呂のお湯なんて張ってないだろうな・・・。

そういえば、うちってコタツがないよね・・・。
家中暖房が入ってるからいらないのかな。





「ただいまっ!!」
家中暖房が入ってるから玄関も暖かいんだよね。
だから時々、暑いなって思う時もあるくらい。
「おかえり。
 母さん・・・おばあちゃんから小包が届いてるよ。」
「僕に!?」
おばあちゃんから小包って何だろう・・・。
「うん、リビングに置いてあるから、おやつ食べたら開けてごらん。」
「先に開ける!!」
僕はランドセルを放り出すとリビングへ走った。

「瀬奈、ランドセルを部屋へ持って行きなさい。瀬奈!!」
「後で持ってく!!」
ランドセルよりプレゼントが先!!
だって僕、プレゼントなんてほとんどもらったことないもの。
でもおばあちゃんのことだから、参考書とか問題集だったり・・・。



これかぁ・・・。
思ったより大きい包みだけど、意外と軽いや・・・。
“取り扱い注意”だって。
それに軽いから、参考書じゃないのは確かだよね。
何かなぁ。
「わ・・・。」
プラモデル?じゃないや・・・。ラジコンカーだ!!
総ちゃんが乗ってるのと同じ種類で色違い。

「総ちゃん!!
 見て、おばあちゃんからラジコンカーもらった!!」
嬉しくて、キッチンで休憩してる総ちゃんに見せに行った。
「よかったね。
 でも瀬奈に操作できるの?」
「できるよ!!・・・多分。」
やったことないからわかんないけど、ゲームと同じようにやればいいんだよね。
「部屋で練習してくる!!」
「おやつは?」
「いらない。」
「ランドセルも部屋に持って行くんだよ?」
「うん!!」
うまく操作できるようになったら公園で走らせよっと。





「コラ、瀬奈。」
総ちゃんがランドセルを手に、僕の部屋に入ってきた。
「ランドセル玄関に置きっ放しで、包みの後片付けもしてないじゃない。
 手紙も入ってたよ?」
そう言うと、僕のお尻を軽く叩いた。
「う、うん・・・。痛っ!!」
総ちゃんはちょっとしたことでも、絶対お尻を叩くんだから。
「それとね、中沢さんがいる間は廊下やキッチンで走らせちゃダメだよ?」
「どうして?」
「もし中沢さんに当たったり躓(つまづ)いたりしたら危ないからね。」
「うん、わかった。」
中沢さんってドジなとこがあるもんね。







今日もラジコンで遊ぼうっと。
最近、ゲームも新しいの買ってなくてつまんなかったから、ちょうどいいタイミングで、プレゼントしてくれたおばあちゃんには感謝だね。
でもわざわざ買ってくれたんじゃなく、商店街の福引で当たったらしいけど・・・。

「瀬奈さん、廊下で走らせないで下さいね。」
ちょっとくらいいいじゃん。
「うん・・・。」
中沢さんってば、もう少し違うこと言えないのかな。
僕のこと、絶対邪険に思ってるよね。



「瀬奈!!中沢さんがいる時は、廊下で走らせちゃダメって言わなかった!?」
「うわ、総ちゃん・・・。」
中沢さんが言いつけたのかな・・・。
「全く・・・。
 瀬奈はいつも返事だけなんだから。
 それにおばあちゃんにお礼の電話はしたの?」
「う・・・まだ。」
そんなの総ちゃんが代わりにしておいてくれればいいのに・・・。
「じゃあ早くしてきなさい。」
「う、うん・・・。」
お仕置きをされるよりはいいよね・・・。





でも、もう上手に操作できるようになったのに、狭い部屋の中で走らせるのはつまんない・・・。
やっぱり広い、というか、長い廊下が一番楽しいよね!!
だって廊下は玄関の方と、総ちゃんの寝室の方と繋がっているから、家の中を1周してるんだ。
総ちゃんにさえ見つからなきゃいいんだから。
僕の部屋からお風呂の方へ出発して、総ちゃんの寝室の方を通って、玄関の方へ行って戻って来よう。



「きゃあぁぁ!!」
げっ!!今のは中沢さんの悲鳴に何かが割れた音・・・。
きっと総ちゃんに持ってくコーヒーカップを落としたんだ・・・。
もう!!どうしていつも中沢さんは変にタイミングよく・・・。
「瀬奈さん!!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
だって、廊下には角があるから、曲がり角の向こうは見えないんだもん・・・。

「中沢さん?どうしたの?」
やばっ!!逃げよう!!
中沢さんの悲鳴とカップが割れた音に気付いたのか、書斎から総ちゃんが出てきた。
「瀬奈!?
 あ、こら!!待ちなさいっ!!
 中沢さん、ごめんね!!怪我してない!?悪いけど片付けてね!!
 瀬奈っ!!」
わゎ!?追っかけて来た!!
しかも総ちゃん、マジで走ってるんじゃ・・・。

「うわぁあぁ・・・。」
もうちょっとで部屋に入れるところだったのに、捕まっちゃった!!
「何を逃げてるんだ!!
 それに部屋に逃げ込んだところで、どうにもならないよ?」
それはわかってるんだけど、つい逃げてしまう・・・。
「おいで!!お仕置きだ!!」
「やぁぁん。」
総ちゃんは僕を抱えるとベッドに腰掛けた。

「やだ・・・ごめんなさいっ!!」
お尻を剥き出しにされると、本当にお仕置きされるんだってことが現実になる。
「何度も注意したよ!!
 それにさっきも注意したばかりなのに!!
 ホントに瀬奈は返事だけなんだから!!」
「うわぁ〜〜〜んっ!!
 総ちゃん・・・やだ、やめて!!」
僕の腰を押さえる手に力が入る。

「やぁ・・・痛ぁい!!
 やめて総ちゃん・・・痛いっ!!ごめんなさぁい!!」
「俺に謝るんじゃなく、中沢さんに謝りなさい。」
「謝ったもんっ!!」
ぶつけた時、とっさに謝ったもん・・・。
「瀬奈はいつも中沢さんに迷惑かけてるじゃない。
 だから中沢さんがいる時はダメだって言ったのに!!」
「だって・・・。」
「何が“だって”なの!?」
自分でもわからない。ただ、何か言い訳がしたかっただけ・・・。

「うぇぇ〜〜〜ん・・・。
 ごめんなさぁい・・・。もうしないからぁ・・・。」
「いつもそう言って、すぐに同じことを繰り返すでしょ!?」
それも・・・ちょっと当たってるけど・・・。
「総ちゃぁ〜〜〜ん・・・。
 ホントにもぉしないよぉ・・・。痛ぁーーーいっ!!」
きっと、お尻がすごく真っ赤になってる・・・。
「やだ、やめて・・・やだぁ!!」
痛くてお尻を庇うように手を後ろに回したら、手も腰の辺りで押さえ付けられてしまった。
ジタバタしていたら、足に纏わり付いたズボンがだんだん脱げてきて、今はなんとか足首で止まってる状態だ。

「本当にもうしない?
 今度したらもっと痛くするからね!?」
押さえ付けていた手を、少し緩めてくれた。
「う、うん・・・ふぇっく・・・約束・・する・・・。」
「・・・信用できないな。」
「いったぁいっ!!」
これで終わりだと思ってたのにまた叩かれた。
「やだっ!!総ちゃん・・・やだぁ!!」
最後は、始めた時よりかなり強く5回叩かれてやっと終わった。

「ほら、もう1回きちんと中沢さんに謝っておいで。」
総ちゃんは僕を膝から下ろすと、脱げかけていたズボンも穿かせてくれた。
「・・・うん。」



中沢さんは、割れたカップをとうに片付けていて、キッチンでおやつを用意してくれていた。
僕のこと、そんなに邪険にしてないのかなぁ・・・。


2006年01月30日(月) 09時04分59秒 公開
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■作者からのメッセージ
かなり久々の『日茶』です。3ヶ月ぶり!?


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