日常茶飯事<step>番外編−ひとひらの自由−
先日、中学校を卒業した。
堅苦しい校則からも開放されて、髪を染めようとしたら総ちゃんに阻止されちゃった・・・。
最近総ちゃんは、2年前からお付き合いを始めた里加子さんとのデートに忙しく、僕に構ってるヒマなんてないと思ってたのに・・・。

高校も決まったし、春休みは遊びまくるんだ。
それで今日は涼一ん家へ遊びに行くことになっている。





コンビニでお菓子も買ったし、今日は涼一とゲーム三昧かな。
「こんにちはー。」
「おう、上がって来いよ。」
2階の部屋から顔だけ出して涼一が呼んだ。
「侑也は?」
「今日は来れなくなったって。」
「そっか、残念だね。」
せっかく3人でバトルしようと思ってたのに・・・。



「2人だと退屈だね・・・。」
ゲームも飽きてきたし、お菓子も食べちゃったしね。
「うん・・・。
そうだ!!兄貴のバイクがあるんだけどさ、乗ってみる?」
バイクっても50ccのスクーターだけどな。」
「乗りたい!!いいの!?」
ってか、僕達無免許だけど・・・。
「近くだけな。」
「うん。」



「瀬奈、バイクは初めてだっけ?」
「うん。」
わ、思ってたより軽いんだ・・・。
バイクのスタンドを外して自分で支えてみた。
「エンジンはキーをオンにして、ブレーキを掛けたままセルボタンを押すんだよ。」
「えっと・・・こう?」
バイクにまたがりながらセルボタンを押した。
「うん、そう。
 で、アクセルをゆっくり開ければいいんだよ。」
「わっ!?」
ゆっくり開けたつもりが結構勢いよく開いたみたいで、急発進しそうになってしまった。





近くだけってことで、裏道を何往復か走らせてもらった。
自転車と違ってアクセルをふかすだけで走るから、楽だし楽しい。
16歳の誕生日まであと半年かぁ・・・。早く免許を取りたいなぁ。
4月生まれのヤツが羨ましい!!
「瀬奈、ちょっとスーパーまで行こうぜ。」
「うん・・・。」
「ほら、ケツに乗れよ。」
「えっ!?これで行くの!?」
裏道を通って行くったって、スーパーまではちょっと距離がありすぎるような・・・。
でも乗せてくれるって言うんだし、まあいっか。



ん?なんだかサイレンの音が鳴ってるよう・・・な!?
涼一の後ろに乗せてもらっていて、パトカーのサイレンが聞こえたように思ったから、何気なく後ろを振り向いたら、僕達をパトカーが追いかけていた。

「涼一!!パトカー・・・止まれって言ってる!!」
涼一はサイレンの音が聞こえてないの!?







その後、僕達はおまわりさんに捕まってパトカーで本署まで連行され、家に連絡されてしまった・・・。
すぐに総ちゃんが迎えに来たけどすごく怒っていて、家に帰るまで終始無言だった。
お仕置きされるのも確実だよね・・・。

「痛い!!総ちゃん、痛いってば!!」
車から降りると、僕の腕を引っ張ってリビングまで連れて行った。
「今日は親父も来てるのに・・・。」
「えっ!?おじいちゃんが来てるの!?」
一体何しに来てるのさ!?
それより、もしかしたら総ちゃんとおじいちゃんの両方からお仕置きされるかも・・・。
「やだっ!!総ちゃん放してっ!!」
逃げ出したくて腕を振り解こうとするけれど、しっかり掴まれているし、総ちゃんは意外と力が強いから、逃げることができなくて、バタバタしてたらおじいちゃんが出てきた。
「さっさと入れ!!」
「瀬奈、そこへ座って。」
「・・・・・。」
「そこじゃない!!床に正座しなさい!!」
僕は諦めて座ろうと、ソファーに腰を下ろしたら総ちゃんに咎められた。
床に正座なんて足が痛いよ・・・。



うう・・・。
もう2時間近く2人からお説教されてる・・・。
足が痛くて姿勢を崩そうと思うんだけど、僕の目の前にいる総ちゃんとおじいちゃんのお説教の勢いがすごくて、ちょっとでも動いたら蹴られそうでコワイ・・・。

「俺はもう帰る!!」
おじいちゃんがいきなり立ち上がった。
よかった・・・帰ってくれるんだ・・・。
これでおじいちゃんからのお仕置きはなくなる・・・。
「総司郎、あれは持って帰るから返せ。」
「ああ・・・うん・・・。」
あれって何だろ?
総ちゃんがチェストの上に置いてあった包みをおじいちゃんに手渡すのを、何気なく見たら、紅白の水引が掛かっていた。



おじいちゃんが帰ってからも、今まで1時間近くお説教をされている。
「・・・ということで、お尻出しなさい。」
「や、やだ・・・。」
やっぱりお仕置きされるんだ・・・。
「“やだ”じゃない!!」
総ちゃんは僕の腕を掴むと無理矢理立たせ、ズボンとパンツを引き下ろすとソファーの背もたれに押さえつけた。
「嫌だぁっ!!」
手にはおじいちゃん家の竹やぶから持って帰った竹の棒が・・・。
「嫌だ!!やめて総ちゃん!!それは嫌だぁっ!!」
お願いだから手にしてよぉ!!

「嫌・・・痛いっ!!総ちゃんやめ・・・痛っ!!
やめて!!あぁっ!!ごめんなさいっ!!」
一定の間隔で、規則的に竹の棒を振り下ろされる。
振り下ろされるたびに、空を切る音が後ろでする。
「いっ!!痛いぃっ!!」
手で叩かれるのとは全く違う痛さで、お尻の皮が裂けるような感覚が・・・。

「や・・・はうっ!!」
叩かれてるのはお尻なのに、爪先から頭にまで痛みが伝わってきて無意識に体に力が入る。
「痛っ!!・・・やだ・・・ああっ!!」
まだ十数回しか叩かれてないのに、痛くて痛くて腰が引け、勝手に涙と脂汗が出てくる・・・。
「やめて・・・総ちゃん・・・いっ!!
 嫌だ・・・やめてーーーっ!!」
今までにも何度か同じ竹の棒で叩かれてるのに、そんなのと比じゃないくらい痛い。

「や、やだ・・・っく・・・いっ・・たぁい!!
 総ちゃん!!やだぁっ!!わぁぁーーーんっ!!」
両手を後ろ手に押さえつけられてるから、涙を拭くこともできない。
「も・・やめて・・・痛い!!ごめんなさいっ!!」



「瀬奈、これで終わるけど、明日から1週間外出禁止だよ。」
総ちゃんはそれだけ言うとキッチンへ行ってしまった。

「うぅっ・・・。」
でも後ろ手にされてて、僕は痛さのあまり力を入れてたから、腕を動かすのもままならない・・・。
「いったぁ・・・い・・・。」
結局、かなりの回数を叩かれた。
「・・・いっ!!」
パンツを穿こうと後ろに手を伸ばしたら、お尻に少し触れただけなのに、声にならないくらいの痛みが・・・。





「瀬奈、ご飯できたよ。」
「・・・いらない・・・。」
あれからどれくらいの時間が経ったんだろう・・・。
とりあえずパンツは上げたものの、お尻が痛くてズボンは上げられないまま、ソファーにうつ伏せに寝転がっている。
「親父は・・・おじいちゃんは、わざわざ瀬奈に入学祝いを持って来てくれたんだよ。」
「え・・・?」
「怒って持って帰っちゃったけどね・・・。」
あれって・・・あの紅白の水引が掛かった包みは僕への入学祝いだったの!?
「・・・・・。」
おじいちゃんのことだから、改めてくれるってことはないよね・・・。
涼一と遊ぶの・・・明日にすればよかった・・・。
あ〜あ・・・損した・・・。


2006年05月10日(水) 07時54分49秒 公開
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■作者からのメッセージ
以前『とまどい』を書いた時から、書こうと思っていた内容です。そのわりには何年も放置してたけど・・・。(汗)


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