日常茶飯事<next>37
さっむーーーいっ!!
遊びに行く時はあんなに暖かかったのに、夕方になるとどうしてこんなに寒くなるんだろう・・・。
瀬奈の言う通り上着を持って出ればよかった・・・。



「由奈。」
あ、瀬奈だ・・・。
「瀬奈・・・こんなところで何してるの?」
今の時間だと夕食の準備をしている頃なのに・・・。
「アイス買いに来たんだ。」
アイス!?
こんなに寒いのに!?しかもこんな時間に!?
「わざわざこんなところまで来なくてもコンビニで買えばいいのに。」
いくら冬場で溶けにくいからって、コンビニよりはるかに遠いスーパーに来なくたって・・・。
「僕の好きな種類のアイスはコンビニに売ってないんだよ。」
「ふ〜ん・・・。」
「由奈も何か欲しいお菓子とかある?買ってあげるよ。」
「・・・・・。」
“買ってあげる”たって、そのお金はパパが稼いだお金じゃない。

「でも・・・早く帰らないと門限過ぎちゃう。」
パパは忙しくてもちゃんと玄関で出迎えてくれるから、パパを待たせないようにしなきゃ。
「僕と一緒なんだから門限過ぎてもお仕置きされないよ。」
「そんなんじゃないよ。」
まったく、毎日門限破ってた瀬奈と一緒にしないでよね!!
「だったら一緒にスーパーに行こうよ。
 総ちゃんには電話かけとくからさ。」
「・・・ぅん・・・。」
電話をかけておけば、パパは僕達が帰って来るまで心配せずに仕事に集中できるね。





あっ!!
僕の大好きなコーンスナック。これって冬限定のお菓子なんだ。
「瀬奈、これ買って。」
「うん、それだけでいい?」
他にも買ってくれるのかな。
「じゃあ・・・これも・・・。」
僕、チョコレートも好きなんだ。





「・・・っくしゅん!!」
スーパーから出て来た時には、辺りは真っ暗になって一層寒くなっていた。
「由奈、寒いの?」
「・・・別に。」
「これ着とけば?」
瀬奈は、自分が着ていたパーカーを僕にかけてくれた。
「・・・ありがとう・・・。」
瀬奈もこういう気遣いができるんだ?
「こういう寒い日ってさ、体が芯まで冷えて、お尻を叩かれた時すごく痛く感じるんだよね。」
「・・・僕は瀬奈みたいに、毎日お仕置きされてるんじゃないからわからない。」
僕にそんなこと言われたって、わかるわけないじゃない。
僕がパパにお仕置きされるのって時々なんだから。
毎日のようにお仕置きされてた瀬奈と一緒にしないでよね!!



「今日の・・・夕食何?」
「茶碗蒸しと五目寿司だよ。」
うわっ・・・両方とも、どちらかといえば嫌いな方に入る料理だ・・・。
茶碗蒸しのユリネが特に嫌なんだ。あ、ギンナンも嫌・・・。
「それと赤だし。」
赤だしまであるの!?最悪な組み合わせじゃない!!
僕、汁物の中で“赤だし”が一番嫌いなのに・・・。
瀬奈ってば嫌がらせに作ったとしか思えない。
「こういう寒い日ってあったかい茶碗蒸しが美味しいよね。」
「そお?
 じゃあどうして冷たいお寿司があるの?」
寒いのにわざわざ冷たいご飯を食べなくてもいいじゃない。
瀬奈はそういうとこがバカだよね。
「五目寿司は総ちゃんのリクエストだよ。」
なんだ、パパのリクエストじゃ仕方ないな・・・。





「「ただいまー。」」
やだな、瀬奈とハモっちゃった・・・。
「僕、これからご飯の用意をするから・・・。」
「えっ!?まだできてなかったの!?」
夕食の用意よりアイスを優先するなんて、何を考えてるんだよ。
「うん、五目寿司のトッピングと茶碗蒸しを蒸すだけだよ。」
「じゃあ僕は部屋に行ってる。」
部屋で宿題でもやろうっと。
「できたら呼ぶよ。」



おなか空いたなぁ・・・。ご飯まだかなぁ・・・。
あ、でも夕食のメニューは嫌いなものばかりだ・・・。

そういえばお菓子、こっちへ持って来たんだっけ。
ちょっとだけ・・・食べようかな・・・。
コーンスナックは開けちゃうと絶対全部食べたくなっちゃうから、チョコレートをひとかけらだけ・・・。





「由奈、ご飯できたよ。」
暫くして瀬奈が呼びに来た。
「あ、うん。すぐ行く。」
どうしよう・・・。
ひとかけら食べただけなのに、なんだかおなかが一杯になった気がする・・・。



赤だしの匂いで余計食べる気がしなくなってきた・・・。
「由奈、全然食べてないけどどこか具合悪いの?」
「う、ううん!!
 なんともないよ!!」
パパに聞かれてなんともないって答えたけど、気分が悪いって言えばよかったかな・・・。
でもパパには嘘はつきたくないし・・・。
だからってご飯の前にチョコレートを食べた、なんてことも言えないし・・・。
「寒くなってきたから風邪が流行ってるみたいだし・・・。熱は?」
パパはそう言って、自分のおでこを僕のおでこにくっつけてきた。
「・・・熱はなさそうだね。」



やっぱり食べる気がしない・・・。
「・・・ごちそうさま。」
結局ほとんど手を付けないまま席を立った。
「由奈、もしかして帰りに買ったお菓子食べたの?
それでおなかがいっぱいとか?」
「ち、違うよ!!食べてないよ。」
瀬奈ってば変に鋭い。
でも・・・ひとかけらだけど食べたのは本当だ。
「残しておくからおなかが空いたら食べればいいよ。」
「・・・うん。」
別に残しておいてくれなくてもいいんだけどな。





お風呂に入ったら、なんだかおなかが空いちゃった。
でも夕食の残りを食べる気にはならないし・・・。

僕の視線はおのずと、机の上に置いてあるお菓子に向いた。
寝る前にお菓子は食べちゃダメって言われてるけど、ちょっとくらいなら・・・。

さっきの食べ残しのチョコレートにしようか、それとも大好きなコーンスナック、どっちがいいかな。

おなかが空いてるから、満腹感を得られるコーンスナックを食べることにした。
「・・・っくしゅん!!」
部屋は少しひんやりしてるから、早くお布団に入ろうっと。
まだ暖房を入れるほど寒くはないしね。
ついでだからマンガも読もう。

僕は布団に入ると頭から毛布をかぶってマンガを広げた。枕元にはコーンスナックの袋を置いて。



「由奈、入るよ?」
うわっ!!パパだ!!
「ま、待っ・・・。」
“待って”って言う前に入ってきちゃった・・・。
「由奈・・・もしかしてお菓子食べてたの?」
「う、ううん!!食べてない・・・。」
僕は慌てて袋の上に毛布を掛けた。
「でも匂いがするんだけど?」
「え・・・。」
自分では全くわからないんだけど・・・。
「寝る前にお菓子は食べちゃダメって言ってあったでしょ?
 それに布団の中で食べてたの?」
パパはベッドに歩み寄ると、勢いよく毛布を剥がした。
「ご、ごめんなさい・・・。
 おなかが空いたから・・・それで・・・。」
「それなら瀬奈が夕食の残りを置いてくれてたでしょ。」
「でも・・・僕・・・今日のメニューは嫌いなのばかりだったから・・・。
 それに好き嫌いしたらパパにお仕置きされると思って・・・。」
ストレートに、嫌いだから食べないって言ったらお仕置きされるもん・・・。
「それで夕食の時、食べなかったの?」
「う、うん・・・。
 それもあるけど、ご飯の前に少しだけチョコレート食べたから・・・。
 だから・・・なんだかおなかが一杯な気がして・・・。
 ごめんなさい・・・。」
「風邪でも引いたのかと心配したんだよ?」
「・・・ふぇえっく・・・ごめんなさい・・・。」
結局・・・パパに嘘ついちゃった・・・。

「おいで、お仕置きだ。」
パパはベッドに腰を掛けると、僕を膝の上に乗せた。
「や、やだ・・・ごめんなさい!!」
「謝ってもダメ。
 お仕置きをされるのはわかってたでしょ?」
わかってたけど・・・それでもやっぱりお仕置きされるのは嫌だ。
「あぁーーーん!!嫌だパパ・・・やめて、ごめんなさい。」
パジャマのズボンとパンツを下ろされて、お仕置きが現実になる。
「瀬奈だって心配してたよ?」
瀬奈はどうでもいいよ。
「ごめんなさ・・・痛い!!」
パシンという音と共に、お尻がジンジン痛くなる。
「やだぁ!!痛いよ・・・痛い!!あぁ〜〜〜ん!!」
お風呂から出てそんなに時間がたってないから、体はそんなに冷えてないけど、部屋の空気が冷たいからか、瀬奈が言ってたからか、パパはいつも通り叩いてるはずなのに、いつもより痛く感じる。

「痛ぁい!!ごめんなさい・・・反せぃ・・してる!!
 パパやめて・・・痛い!!やだぁ・・・痛いよぉ・・・。」
いつも大人しくお仕置きを受けようと思うのに、痛くて我慢できなくて、足をバタバタさせてしまう。
「反省するのは当たり前だよ。
 してなかったらもっとお仕置きをしなきゃならなくなるからね。」
「ふぇぇ〜〜〜・・・っん・・・ごめんなさい・・・。」

「総ちゃん、由奈は大丈・・夫・・・?
 ・・・・・何やってるの?」
半開きになっていたドアから瀬奈が入って来た。
お仕置きされているのを瀬奈に見られるのは嫌なのに・・・。
「布団の中でお菓子を食べていたんだよ。
 具合は悪くなさそうだから心配しなくてもいいよ。」
「おなか空いてたの?だったらご飯を食べればよかったのに。」
「メニューが嫌いなのばかりだったんだって。」
「・・・ごめんなさぁい・・・あぁ〜〜〜ん・・・痛い〜〜〜。」
瀬奈が来たからもう終わってくれるかな、って思ったけど・・・。
「まだおなか空いてる?おにぎり作ろうか?」
「瀬奈!!余計なことはしなくていい!!」
「・・・何ともないなら安心した・・・。
 僕は向こうに行ってるよ・・・。」
パパが怒鳴ったからか、瀬奈は僕を助けてくれることなく、部屋から出て行った。

「痛ぁーーーいっ!!」
「もう寝る前に、それも布団の中でお菓子を食べちゃダメだよ?」
「ぅっ・・・はい・・・ごめんなさい・・・。」
「これで終わりだから、歯磨きして寝なさい。」
「ぅん・・・。」
パパはパンツとズボンを穿かせて、膝から下ろしてくれた。



どうして歯磨きにパパがついて来るんだろう・・・。
「パパも歯磨きするの?」
「いや、お風呂に入るんだよ。
 でも今日は先に、由奈と一緒に歯磨きしようかな・・・。」
「うん!!一緒にしよう。」
お尻を叩かれたのは痛くて嫌だったけど、パパと一緒にいる時間が増えたことは嬉しかった。

2007年02月02日(金) 23時11分25秒 公開
■この作品の著作権は如月 深雪にあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
久々に由奈を書いたから、ちょっと場面転換のテンポが悪かったかな・・・。由奈の回になると、なぜか瀬奈がやけにマトモです。(笑)


<<戻る
作品編集PASSWORD   編集 削除