日常茶飯事<next>39−2
昨日僕が帰ってきてから、総ちゃんの機嫌がすっごく悪い。
やっぱり・・・侑也に送ってもらったのがまずかったのかなぁ・・・。
昨夜から僕との接触を避けてるみたいだし、顔を合わせてもわざとらしく目を逸らすし・・・。

「総ちゃん、今日は明星(めいせい)社の人が原稿取りに来るんだよねぇ?」
総ちゃんの機嫌を確かめたくて何とか理由をみつけて、書斎のドアの隙間から声を掛けてみた。
「・・・・・明日にしてもらった。」
「そ、そうなの?
 まだ出来上がってないの?総ちゃんが締め切りを延ばしてもらうなんて珍しいね・・・?」
いつもなら1日前には完成してるのに。
「瀬奈、ちょっと・・・。」
「な、何?」
総ちゃんから話しかけてくれたけど、やっぱり機嫌が悪い。
「中に入っておいで。」
「う、うん・・・。」
何だか嫌な予感が・・・。

「そこに座って。」
総ちゃんがソファーの方を指さした。
そこって・・・やっぱりソファーじゃなくて床・・・かなぁ・・・?
僕はソファーの前で正座をした。
「別に・・・床じゃなくても構わないよ。それに正座じゃなくてもね。」
なんだ、思ってるほど怒ってないのかな・・・。じゃあソファーでいいかな。

「瀬奈。」
「うん?」
総ちゃんはノートパソコンを閉じると、僕の隣に腰を下ろした。
「今日は由奈は遅いから、ゆっくり話ができるね。」
「・・・・・。」
やっぱり怒ってたんだ・・・。
「まだ何も言ってないのに、そんな泣きそうな顔しなくてもいいでしょ。」
「・・・・・。」
泣きそうな顔してるのかな・・・。
総ちゃんが本気で怒ってる時って、怒鳴ったりしないで静かに話しかけてくるんだ。
だからなんとなく、精神的にいたぶられてる気がするんだよね・・・。
「ねぇ、昨日どうして侑也と一緒に帰ってきたの?どうしてアイツが運転してたの?」
侑也はガレージに入れるとすぐに帰ったけど・・・見られてたんだ・・・。
「・・・飲んでたから・・・。
 僕が運転すると・・・飲酒運転になっちゃうから・・・。だから・・・。」
「車で行ってるのに、どうして飲むわけ?
 飲酒運転で帰るつもりだったの?それとも最初からアイツに送ってもらうつもりだったの?」
どっちにしても総ちゃんに怒られるよね・・・。
「近くだし・・・そんなに飲んでなかったから・・・飲酒運転で・・・。」
「飲酒運転に近くも量も関係ないでしょ!?
 まったく・・・お仕置き決定だね。」
そんな・・・。
「やだ・・・ごめんなさい・・・。」
「それより車で行ってるのに飲酒するのはどういうこと!?」
「だって大樹が勧めるから・・・。
 それに侑也は用事で出かけてて、間を持たすのにちょうどいいかなって思って・・・。」
「バカッ!!」
「ごめんなさい・・・。」
「それに、アイツに送ってもらうくらいなら、どうして俺に電話しなかったんだ!!」
「だって総ちゃん、締め切り間近で忙しいと思って・・・。」
だから侑也に頼んだのに・・・。
「変なとこに気を使うな!!
俺はアイツに借りなんて作りたくない!!」
借りだなんてそんな大袈裟な・・・。
「侑也はそんなこと思ってないよ。」
「瀬奈っ!!」
そんなに侑也のこと、目の敵にしなくったっていいのに・・・。

「俺は気が気じゃなくて仕事が手につかなかったよ。」
「えっ!?」
締め切りを明日に延ばしてもらったのって、もしかしてそれが原因!?
「あの・・・ごめんなさい・・・。」
「俺に迷惑かけた分も追加ね。」
“迷惑”って・・・。
それは総ちゃんが勝手に焼きもち焼いたからで・・・。

「じゃあ始めようか。」
そう言って、総ちゃんは僕を膝の上に引き倒した。
「え・・・えぇっ!?
やだっ!!
 総ちゃん、やめて・・・やめてよっ!!」
お仕置きが嫌で、脱がされかけたズボンに思わず手をかけた。
「こら!!
 手をよけなさい!!」
「やだっ!!
 お仕置きなんてやだよっ!!」
もう子供じゃないのに、いつまでお仕置きをされなきゃなんないの!?
「ダメだよ。
 口先で謝るだけなんて誰にだってできるんだからね。
 ちゃんと体で反省してもらわないと。」
「そんなの屁理屈じゃない!!」
「言うことを聞かないと、いっぱい痛い思いをすることになるよ!?」
「やっ・・・。」
一段と低い声になった総ちゃんに逆らうことができず、僕のズボンはあっけなく引き下ろされてしまった。

「いっ!!・・・や・・・痛っ!!痛いっ!!」
お尻を剥き出しにされたと思ったら、すぐに平手が立て続けに振り下ろされた。
「痛い!!総ちゃんやだ!!痛い、やめて・・・。」
「まだ始めたばかりなんだから、やめるほど痛いはずないでしょ。」
「それでも痛いよ!!」
「お仕置きなんだから痛いに決まってるじゃない。
 痛くなかったらお仕置きにならないでしょ。
 もっとも瀬奈は、お仕置きの最中しか反省しないけどね。」
「そんなことな・・・わぁ!?」
総ちゃんは僕の腕を後ろ手に押さえ付けると足を組んだ。
「いったぁーーーいっ!!」
この体勢ってお尻が持ち上がるから、相手がいくら総ちゃんとは言え恥ずかしい。
それにお尻の皮が引っ張れるから、痛さも倍増するような・・・。



「や・・・もうやだ!!
 痛い!!やめて・・・総ちゃん嫌だっ!!」
お尻がすごく痛いし、あれからもう随分と時間が経ってる気がする。
「まだダメだよ。」
「やだってば総ちゃん!!
 もうやめてよ・・・ごめんなさい!!痛い・・・痛いっ!!」
「謝ったってダメ。
・・・まさかとは思うけど・・・車は密室だし、アイツと変なことはしてないよねぇ?」
「変なことなんて何もないよ!!」
侑也にだってちゃんと大樹ってパートナーがいるんだし・・・。
あ、でもお尻を叩かれそうにはなったけど。
「本当に?」
「ほ、本当だよ!!」
あんなこと、絶対言えな・・・。
「そ、総ちゃん!?」
総ちゃんはお尻を叩く手を止めると、僕の体を少しだけ起こした。
「瀬奈は嘘をつくのが下手だよね。」
「う、嘘なんて・・・ついてない・・よ・・・。」
やだな、目が泳いじゃう・・・。
「何があったの?」
「何もないよ・・・。本当・・・あぅっ!!」
僕を元の体勢に戻すと、思い切りお尻を叩いた。
「本当のことを言わないと、いつまでも終わらないからね!?」
「やだ総ちゃん!!
 本当に何もなかったよ・・・。
 ただ・・・お尻を叩かれそうになっ・・・痛っ!!」
「やっぱりあったんじゃない!!」
「だって・・・膝に乗せられただけだし・・・あっ!!や・・・痛い!!」
「理由は何なの!?お尻を叩かれそうになった理由は!!」
「い、飲酒のこと・・・痛っ・・・痛い痛い痛いってば!!」
この調子じゃまだまだ終わってくれそうにないよ・・・。





「も・・・やだ・・・。
 やめてよ・・・総ちゃ〜〜〜ん・・・。」
あれから洗い浚(ざら)い報告させられて、その間ずっとお尻を叩かれっ放しで・・・。
「痛いってばぁ・・・。
 ごめんなさい・・・総ちゃん・・・総ちゃんってばぁ。」
お尻が痺れて感覚が変になってきてるよ・・・。
「・・・じゃあこの辺で終わろうかな。」
「ほ、本当・・・?」
本当に、そんなにあっさり終わってくれるの?
「本当だよ。」
総ちゃんは本当に終わってくれて、すぐに膝から下ろしてくれた。
「お仕置きは終わったから、もう向こうへ行っていいよ。
 それからお昼ご飯はいらないから。」
「え?ご飯・・・いらないの?」
「そう言ったでしょ。
 早く向こうへ行って。」
「そ、総ちゃん!?」
僕はズボンを上げるのもそこそこに、書斎を追い出されてしまった・・・。



ご飯いらないって・・・そんなに原稿遅れてるのかなぁ・・・。
それなら僕のお仕置きに、あんなに時間を費やさなくても・・・。
でも・・・いつもなら、お仕置きが終わった後は優しくしてくれるのに・・・。



そんなことを考えていたら、だんだん悲しくなってきた・・・。






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2007年05月31日(木) 00時07分57秒 公開
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■作者からのメッセージ
『2』で終わるはずだったのに、続きます・・・。思ってた以上に総ちゃんがネチネチと。(笑)


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