日常茶飯事69
このごろ、とっても気になることがある。
ちょっと前、テレビのニュースでやっていた『ペットボトル爆弾』だ。
空のペットボトルにドライアイスを入れると爆発するんだとか。

「総ちゃん、ドライアイスある?」
リビングにいた総ちゃんに聞いてみる。
「ドライアイス?ないよ、そんなの。
 だいたいドライアイスなんて何に使うの?」
「うん・・・ちょっと・・・。」
ペットボトルの爆弾作るなんて言えないよ・・・。
「ちょっと、何?
 言えないようなことに使うの?
 まさかペットボトルに入れようとかしてるんじゃないよね!?」
「ち、違うよ・・・。
 そんなこと・・・しないよ・・・。」
どうしてわかっちゃったんだろう・・・。
この前のニュース、総ちゃんと一緒に見てたからかなぁ。
「本当に?
 あれは一歩間違えれば大怪我するんだから、絶対作っちゃダメだよ。
とにかく、ドライアイスはないからね。」
「うん、わかった・・・。」
ドライアイスって売ってるのかなぁ・・・?
売ってるんだったら、どこに売ってるんだろう・・・。





それでもペットボトルの爆弾のことが気になって、侑也と涼一に相談してみることにした。





それで今日、僕ん家に、二人に遊びに来てもらった。
「ねぇねぇ、ペットボトルの爆弾知ってる?」
「ああ、ペットボトルにドライアイスを入れるアレ?
 この前ニュースでやってたよな。中学生が作って爆発したって。」
「え?何それ。おもしろそー。」
侑也は知ってて、涼一は知らないのか・・・。
「僕、作ってみたいんだけど、ドライアイスってどこに売ってるの?」
「俺も作りたい!!」
「え?作りたいのか!?危ないぞ?」
「「作りたいっ!!」」
侑也は作り方、知ってるのかなぁ・・・。
「・・・氷売ってる店なら、ドライアイスも売ってると思うけど・・・。
でもそんな店、この辺にはないし・・・。
あ!!ケーキ買えば入ってると思う。」
ケーキかぁ。
よし!!総ちゃんにケーキ買ってもらおう。



今日はちょうど中沢さんがお休みだしね。
「総ちゃん!!
 おやつにケーキ食べたい!!買うからお金ちょうだい!!」
総ちゃんにお金をもらうため、僕は書斎に駆け込んだ。
「ケーキ?
 いいけど・・・。千円で足りるかな・・・。」
「うん、千円でいい。」
三人だもんね。330円以内のケーキ買えばいいんだし・・・。
総ちゃんは机の引き出しから財布を取り出すと、千円札を一枚手渡してくれた。
「ありがとー。
 みんなで買いに行ってくる。」
ドライアイス入れてくれるかな。



「ドライアイス入ってる?」
ケーキより、ドライアイスの方が気になる。
「うん、入ってる。」
「とりあえずケーキ食おうぜ。」
ケーキを食べてる間に、ドライアイスが溶けてしまわないか、ちょっと心配。

「ところで肝心のペットボトルはあるの?」
「うん、僕の部屋に500mlの空きボトルがあるよ。」
もっと大きいペットボトルの方がいいかな?
「水を少し入れるんだっけ?」
それとも炭酸飲料だったかな?
「水を入れて振るって言ってたと思うけど・・・。危ないから振るのはやめた方がいいと思う。」
「そうだな。ケガしたくないしな。」
「うん。」
だって爆発するんだもん、無理はしない方がいいよね。

「それでどこでやる?」
できるだけ広い場所がいいよね。
「公園?」
「公園は人が多いからダメだよ。
 もしも誰かに当たったら怒られるだけじゃ済まないよ。」
「じゃあ学校のグラウンドとか?
 あ!プールに投げ込むってのは!?」
「それ、いいんじゃない!?」
プールはもう来年まで使わないし、近くに人もいないし。
「でも学校だってサッカークラブの奴らがいるよ。
 もっと、絶対人がいないような場所がいいんじゃないかな。」
誰に見られてるかわからないし、それもそうだよね。
「じゃあ僕ん家の庭は?」
今日は中沢さんもお休みだし、総ちゃんは書斎で仕事してるから気付かれることもないと思うんだ。
「確かに人目に付きにくいけど・・・いいのか?」
「うん、大丈夫。」
そうと決まれば早速、ペットボトルに水を入れなきゃ。
「僕、洗面所で水入れてくるから、二人は先に庭に出てて。」
「うん、わかった。」
「OK。」



どれくらいかな・・・。
少しだからこれくらいかな?
「瀬奈、何してるの?」
「そ、総ちゃん!?
 別に・・・何も・・・。」
びっくりしたぁ。トイレに入ってたなんて気付かなかった・・・。
「瀬奈!?」
僕は隠すようにしてペットボトルを持つと、庭へ出た。

「持って来たよ。」
「早速入れようぜ。」
涼一が、先に持って来てたドライアイスを、ペットボトルの口に近づけた。
「あれ?デカすぎて入らねー。」
「じゃあ、割っちゃえば?」
「瀬奈、金鎚ある?」
「踏んだら割れるんじゃねぇ?」
そう言って涼一が立ち上がろうとした時、黒い影が覆い被さってきた。
「危ないからダメだよ!!」
「そ、総ちゃん!!」
あのまま書斎へ戻ったと思ったのに。
やっぱり家でやるんじゃなかった・・・。

「あっ!!」
総ちゃんは、置いてあったペットボトルを手に取り、涼一が踏もうとしていたドライアイスを、池の中に蹴り入れた。
ドライアイスはボコボコと泡と煙を出して、あっと言う間に溶けてしまった。
「瀬奈。
ペットボトルにドライアイスを入れるのは危ないから、絶対しちゃダメって言ってあったでしょ!?」
「・・・・・。」
やだな・・・。
何も侑也たちがいる前で怒んなくてもいいじゃない・・・。

「あ、あの・・・。
 俺たち・・・用事思い出したから・・・帰るな。」
「えぇっ!?」
帰っちゃうの!?用事なんてないくせに・・・。
「忘れ物はない?気を付けてね。」
「「は、はい・・・。」」
二人とも総ちゃんにビビッてるじゃない・・・。
「じゃあな、瀬奈。」
「またな。」

あ〜あ・・・。帰っちゃったよ・・・。
「瀬奈、お仕置きをするからリビングへおいで。」
「や、やだ・・・やだぁっ!!」
総ちゃんは、動こうとしない僕を小脇に抱え、リビングへ向かって歩き出した。



「や、嫌だ・・・総ちゃん!!
 やめて!!お仕置きなんてやだぁっ!!」
だってまだ、ペットボトルの爆弾作ってなかったもん!!
それなのにお仕置きされるなんて・・・。
「嫌ーーーーーっ!!」
「瀬奈だけならまだしも、友達が怪我でもしたら、どうするつもりだったの!!」
「だ、大丈夫だもん・・・。」
「どこにそんな保障があるの!!
 怪我してから後悔したって遅いんだよ!?」
「やぁ・・痛っ・・・痛ぁーーーいっ!!」
総ちゃんは、小脇でジタバタ暴れる僕のズボンとパンツを引き下ろすと、立て続けにお尻を叩いた。

「やだやだっ!!痛いっ!!やめて・・・やだぁっ!!」
総ちゃんの小脇に抱えられたままかと思ったら、ソファーに座って、膝の上にボクを横たえた。
「約束を守れないんじゃ、お仕置きをするしかないでしょ。」
「だ、だって・・・やってみたかったんだもん・・・。」
「していいことと、悪いことがあるってわからないの!?」
「・・・わかっ・・てる・・・。」
でも、それでもやってみたかったんだもん・・・。
「全く・・・。
 瀬奈はいつも痛い思いをしないとやめないんだから・・・。」
「いったぁーーーいっ!!」
総ちゃんはため息をつくと、お仕置きを再開した。

「痛ぁい!!嫌・・・総ちゃん!!やめて、放して!!」
さっき立ったまま叩かれた分だけで十分痛いのに。
「まだ始めたばかりじゃない。
 ちゃんと反省するまでやめないよ。」
「してる・・・反省してるよっ!!」
「大人しくしなさい!!」
「やぁだぁーーーっ!!痛いーーーっ!!」
痛くて足をバタバタさせたら、総ちゃんの足で、僕の足を押さえ付けられた。



「ふぇぇ・・・わぁぁーーーん!!
 痛・・痛いっ!!やめて総ちゃん・・・やめてぇ!!」
お尻を庇いに後ろへ回した手もさっき、腰の辺りで押さえられてしまって、お尻が痛くても、もう庇うこともできない。
「やぁぁーーーっ!!痛ぁーーーいっ!!」
それでもなんとか、お尻をよけられないかなと腰を引いてみたり・・・。
足だってバタバタさせられなくて、気を紛らわすことができないから、痛さが倍増してるように感じる。
「痛い痛い!!やだ・・・総ちゃ・・・ごめんなさいっ!!」
「少しは反省した?」
「した、したっ!!
 したからもうやめて!!もうやだぁ!!」
お尻が痛くて熱くなってる・・・。
「じゃあ、これで終わり。」
「いったぁーーーいっ!!」
最後に思いきり叩かれて、やっと膝から下ろしてくれた。



「ほら、もう泣かないで。」
総ちゃんは、パンツとズボンを穿かせると、今度は思いきり抱き締めてくれた。
「ふぇっ・・く・・・あぁ〜〜〜ん。」
慰めてくれるくらいなら、最初からお仕置きなんてなしにしてくれたらいいのにって、いつも思う・・・。
でも、抱き締めてもらえるのはすごく嬉しい・・・。





夜、総ちゃんのパソコンで『ペットボトル爆弾』の動画を何本も見せてもらった。
僕が思ってたよりもすごい破壊力で、あの時、総ちゃんが止めてくれてよかったって思った。



2007年11月14日(水) 08時35分24秒 公開
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■作者からのメッセージ
久々の日茶です。何ヵ月ぶり・・・。


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